ある十代の終わりについて

あの頃、あんなにも好きだったバンドのCDや漫画家の本を手放した時に、誰かに知ってもらいたいけれど誰にも知ってほしくない気持ちを抱えていた僕を切り離したような気になった。

自分の気持ちを代弁してくれているだとか、考えの先を話してくれているだとか勝手に思ってお守りの様にしていたけれど、十年も経つとその先を生きるようになっていてしまって、あんなにも心惹かれたものが過去のものの様に感じられてしまって、今には必要のないものだなと言う結論になる。

どれもあの頃には必要だったし、無くてはならないものであった。
今は、そうではなくなったという話。